子育てをしていると、「私って母親としてダメなんじゃないか」と落ち込むことはありませんか?
筆者はHSPなのですが、娘の小さな反応や自分の言動に敏感に反応してしまい、よく自分を責めていました。
たとえば、娘に少し強い口調で怒ってしまっただけで「母親失格だ」と思い込み、一日中落ち込んでしまうこともありました。
でも、心理学でいう「認知のゆがみ」という考え方を知ってからは、「あ、これは思考のクセなんだ」と気づけるようになり、気持ちが少し楽になったんです。
今回は、HSPママが特に陥りやすい「認知のゆがみ10項目」を、私自身の体験談も交えながらご紹介します。

対処法もお伝えしますので、自分を責めやすいHSPママはぜひ参考にしてください。
- HSPで自分を責めてしまいやすい人
- 認知のゆがみに気づいて心を楽にしたい人
認知のゆがみとは?

「認知のゆがみ」とは、物事のとらえ方や考え方が偏ってしまうことを指します。
誰にでもあるものですが、HSPは感受性が高いため、ちょっとした出来事でも強く影響を受けてしまいます。
HSPの詳しい性質については、こちらの記事でもご紹介していますので、参考にしてください。
大切なのは、「ゆがみ=悪いこと」ではないということです。
ただの「考え方のクセ」にすぎません。
クセだと気づくだけでも、心がすっと軽くなります。
HSPママが陥りやすい認知のゆがみ10項目

HSPママが陥りやすい認知のゆがみは以下の10項目です。
- 白黒思考
- 過度の一般化
- 心のフィルタリング
- マイナス思考
- 論理の飛躍
- 過大解釈、過小解釈
- 感情的決めつけ
- すべき思考
- レッテル貼り
- 誤った自己責任化
1つずつ見ていきましょう。
1. 白黒思考
「できたか、できないか」の極端な2択で物事を考えてしまうクセです。
筆者も子どもに強く言ってしまった日は「今日は全部ダメだった」「母親失格だ」と思い込んで落ち込んでしまうことがあります。
一日の中でうまくいったこともたくさんあるのに、1回の失敗ですべてが無意味に思えてしまうんです。

今は「今日は怒ってしまったけど、一緒に遊んだときは笑顔でいられた」と、良かったことも振り返るようにしています。
2. 過度の一般化
1回の出来事を「いつもそうだ」「これからもずっとそうだ」と決めつけてしまうことです。
たとえば、娘がの筆者の言うことを聞かないで生意気なことばかり言っていると、「いつも言うことを聞かない子だ」と思ってしまうことがよくありました。

でも、冷静に考えると素直で優しいところもたくさんあるんですよね。
「たまたま今はうまくいかなかっただけ」と考えるようにすると、気持ちが楽になりました。
3. 心のフィルタリング
悪いことばかりに意識が向き、良いことを見えなくしてしまう状態です。
筆者も、昼間に娘と公園で楽しく遊んだことはすぐ忘れてしまい、寝る前にイライラして叱ったことだけを何度も思い出して落ち込むことがよくありました。

「今日一日で嬉しかったことを3つ書く」と意識的に記録するようになってからは、良い出来事もちゃんと心に残るようになりました。
4. マイナス思考
良いことがあってもすべて悪いほうに解釈してしまうクセです。
筆者もママ友から「webライターって文章を書けるなんですごいね」と言われても、「きっとお世辞だろうな」と考えて謙遜していました。

昔から謙遜するクセがあって、小学生のときに友達に「卑屈だよね」と言われたことがあります、、、。
褒めてくれた人に対しても「そんなことないよ」と言わせてしまって余計な気を使わせてしまいますよね。
今は褒められたことは素直に受け止めるように気をつけています。
5.論理の飛躍
根拠もないのに相手の心を読みすぎたり、先のことまで悲観的に決めつけてしまうことです。
ママ友に連絡先を聞いたとき一瞬「えっ?」という表情をしていたから、「きっと私のこと嫌いなんだろうな」と考えてしまったり、子どもが幼稚園で一人遊びをしているのを見て、ずっと独りぼっちかもしれないと決めつけてしまいます。

事実以外のことは考えないようにしましょう!
6.過大解釈、過小解釈
悪いことは最悪のことまで考えて、良いことは「まぐれだ」と過小評価することです。
筆者はスーパーのパートをしていたとき、娘がインフルエンザで急に1週間休まなければならなくなると、「みんなに迷惑かけた」「みんな怒ってるだろうな」と不安になっていました。
逆に、品出しを順調に進められて「さすがだね」と褒められたときは「たまたまうまくいっただけだ」と素直に受け止められなかったです。

自分で自分の首を絞めているような感じですよね、、、。
起きたことがすべてで、その先は想像でしかないし、人の言動はコントロールできません。
その想像力を良いイメージに使えるようになるといいですよね。
7. 感情的決めつけ
感情をもとに判断してしまうことです。
娘に「ママなんか嫌い」と言われてイライラして「私は母親には向いてないんだ」と自分のすべてがダメなように感じてしまうことがありました。
でも実際には娘は「ママ抱っこ」と甘えてきたり、「ママといると安心する」と言ってくれることもあるんですよね。

娘にとって私は大切なママなんだと自信を持つようにしています。
感情だけではなく、起きている事実と一緒に判断するようにしましょう。
8. すべき思考
自分や相手に対して「~すべきだ」と考えてしまうクセです。
筆者は「母親だからいつでも優しくすべき」「娘の前で笑顔でいないと」と思っていました。

でも実際には、無理ですよね。笑
子どもにとっても完璧なママよりもできないこともある人間味のあるママのほうが、落ち着きます。
今は、娘に怒りすぎてしまったと感じたら、「ごめんね。ちょっと怒りすぎちゃった」と素直に謝るようにしています。
9.レッテル貼り
自分や相手に対してネガティブなラベルを貼ってしまうことです。
「私は大人しいから何をやってもバカにされる」「あのママ友はこの前、挨拶がそっけなかったからきっと私のことが嫌いだ」と思い込んでしまいます。
実際には、周囲の人にバカにされてもいないし、ママ友はたまたま体調がよくなかっただけかもしれません。

「一面だけを切り取って決めつけない」ことを意識するようになりました。
10.誤った自己責任化
自分に責任のないことまでも、自分に責任があると考えてしまうことです。

これ、めちゃくちゃあります、、、。
筆者はスーパーのパートで上司から「仕事が遅い」とよく注意されていて、その上司は、あからさまに不機嫌を態度で表す人だったので、いつもビクビクしていました。
実際は別のことで怒っていても、「自分の仕事が遅いせいでイライラしてるのかも」と考えては仕事が手につかないこともよくありました。
また、旦那が仕事から帰ってきて、夕飯の味はどうかと聞いたら「そんな食べてすぐ感想言えないでしょ」とイライラしながら言われて「自分が働いてないから役立たずだと思ってるんだろうな」と考えてしまっていました。

実際は、旦那の同じ部署の人が2人も辞めてしまうので、負担が増えてしまうことで不安だったようです。
人の責任まで背負わないで、自分の責任はどこまでなのか、しっかり線引きをしておくことが大切です。
こうした思考パターンは、あなただけが持っているものではありません。
同じように悩むHSPさんはたくさんいます。
「私だけじゃない」と思えるだけでも、少し心が軽くなるかもしれません。
認知のゆがみへの対処法

認知のゆがみに気づけただけでも、実はとても大きな一歩です。
完璧に直そうとしなくても大丈夫。
「気づけた=前に進んでいる」と考えてみてくださいね。
では筆者が実践している認知のゆがみへの対処法を以下の3つご紹介します。
- モヤモヤしたことがあったらまず気持ちを紙に書き出す
- 疑問を持つ
- 完璧を目指さない
1つずつ見ていきましょう。
モヤモヤしたことがあったらまず気持ちを紙に書き出す
モヤモヤしたことがあったら、そのときどう感じたのか気持ちを紙に書き出してみましょう。
<例>パートで上司に「仕事が遅い」と注意された。自分は何をやってもダメな人間だ。
→過度の一般化、レッテル貼りの傾向があるかも、、、

頭の中だけで考えていると、モヤモヤはそのままストレスとなって蓄積してしまいますが、紙に書き出してみることで、事実を客観的に捉えることができます。
疑問を持つ
先ほど書き出したモヤモヤした出来事と自分の気持ちを見て、「本当にそうかな?」と疑問を持つクセをつけましょう。
<例>パートで上司に「仕事が遅い」と注意された。自分は何をやってもダメな人間だ。
→本当にダメ人間?良いところもあるはず。
→スーパーで年配のお客さんが欲しい品物を探していたときに、どんな商品を探しているのか丁寧に聞きだし、歩幅を合わせて欲しい商品のある場所まで案内したら「ありがとう。助かったよ」と言ってもらえたことがあった。
→丁寧に接客できるところは強みかもしれない。

客観的に考えると自分で悪いほうに捉えてしまっているだけなことも多いです。
完璧を目指さない
HSPさんは完璧主義の方が多いですが、何でも完璧を目指さないように気をつけましょう。
必ずどこかで無理が生じてきます。
筆者もご飯は毎日違う献立で主菜、副菜、バランス良く、掃除もしっかりやりたいと思っていましたが、育児が始まってから、しっかり家事をするのはあきらめました。

子育て中は思い通りに進む日なんかありませんよね。
ご飯は2日分まとめて作って料理する回数を減らしたり、手間のかかるメニューは作らないようにしたり、掃除機をかけるのは3日に1回など、だいぶルールをゆるめました。

子どもが元気に過ごせてる!それだけで合格ですよね。
行き詰ってきたら「まぁいっか」と口に出してみるのもおススメです。
「まぁいっか」には心を軽くしてくれる力がありますよ。
HSPママはすでに十分すぎるくらい頑張ってます!
これ以上完璧を目指して頑張りすぎないでください。
まとめ

HSPママは敏感さゆえに認知のゆがみに陥りやすい傾向があります。
でも「ゆがみ=悪」ではなく、考え方のクセであることに気づくだけでも心が少し軽くなります。
そして紙に気持ちを書き出してみると、事実を客観的に捉えられるようになって、今よりも自分に優しく接することができます。
認知のゆがみをなくすことがゴールではありません。
あなたの心が少しでも軽くなり、「ありのままの自分で大丈夫」と思えるようになることが大切です。
ひとりで抱え込まず、少しずつ歩んでいきましょう。
どうか、自分を責めすぎずに、今日できたことに目を向けてあげてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。