「今日も怒ってしまった…」
「あんな言い方しなければよかった」
寝顔を見ながら涙が出て、自分を責めてしまう。
そんな夜はありませんか?
HSP(繊細さん)気質のママほど、子どもの小さな言動にも強く反応してしまい、
怒ってしまった後に深く落ち込むことが多いといわれています。

私もその一人です。
子どもを大切に思う気持ちが強いほど、思い通りにいかないときの感情の揺れが激しく、
「怒り」と「自己嫌悪」の間でずっと苦しんでいました。
でも、HSPという気質を理解し、感情と向き合う方法を少しずつ実践していくうちに、
「怒り」そのものに振り回されることが減っていったのです。
この記事では同じように悩むHSPママに向けて、怒りの仕組みと、怒りすぎて落ち込むときに試してほしい3つの方法をお伝えします。
最後まで読むと前よりも怒りすぎて落ち込むことが減って穏やかに過ごせるようになりますよ。
- HSPで怒りすぎて落ち込むことが多い方
- 落ち込んだ気持ちを立て直す方法が知りたい方
- 「怒り」とうまく付き合うコツが知りたい方
HSPママが子育てで怒りやすい理由

まず知っておきたいのは、「怒りやすい=悪い母親」ではないということ。
HSP気質の人は、周囲の刺激や感情に対して感受性がとても高いのです。
そのため、子どもの泣き声、ぐずり、癇癪(かんしゃく)、兄弟げんかなどの
日常的な出来事が一般的な人よりも強いストレスとして心に響きます。
HSPとは、生まれつき刺激や感情に敏感な気質を持つ人のことを指します。
心理学的には「外部からの情報を深く処理し、感受性が高い人」と定義されており、
日本でも多くの専門家が研究を進めています。(参考:HSP研究者エレイン・アーロン博士公式サイト)
加えてHSPママは責任感が強く、「子どもをちゃんと育てなきゃ」「失敗したくない」と無意識に完璧を目指してしまう傾向があります。
その結果、知らず知らずのうちに心と体が限界に達し、ちょっとしたことでも怒りが爆発してしまうのです。
HSPママがイライラしやすい理由と対処法についてはこちらの記事でも紹介していますので参考にしてみてください。
HSPで子育てが向いてないと感じる方にはこちらの記事もおすすめです。
心理学的にも裏付けがある「過敏さ」
HSPの特徴は、心理学では感覚処理感受性(Sensory Processing Sensitivity)と呼ばれています。
この特性を持つ人は、脳が刺激を深く処理しすぎる傾向があることが研究で示されています。(参考:Psychology Today「Highly Sensitive Person」記事)
つまり、HSPママが怒りを感じやすいのは性格ではなく、生まれ持った脳の反応なのです。

自分を責める前に、まず「これは私のせいじゃない」と理解することが第一歩になります。
HSPママが怒りすぎて落ち込むときに試したい3つの方法

HSPママが怒りすぎて落ち込むときに試したいのは以下の3つの方法です。
- 怒った自分を「悪者」にしない
- 5分だけ離れる「クールダウン習慣」を作る
- 感情日記をつけて、自分のパターンを見つける
怒った自分を「悪者」にしない
HSPママは優しさゆえに、自分をすぐ責めてしまう傾向がありますよね。
でも、怒りは「もう無理」「助けて」という心からのサインです。
それを無理に押し込めようとすると、さらにストレスが積み重なります。
私も以前は「怒るなんてダメなママだ」と思っていました。
でも怒りは自分を守る力でもあることを知って心が救われました。
リクルートワークス研究所のコラムによると、怒りは「自分自身や大切なものが侵害されたときに鳴る心の警報装置(アラーム)」だとされています(参考:WORKSIGHT)。
つまり、怒りは自分を守るための自然な反応であり、「危険信号」として私たちに必要な行動を促してくれるサインなのです。
それからは「怒ってしまった=自分が壊れかけていた」と捉えるようになり、自己否定のスパイラルから抜け出せるようになりました。
怒ったあとに落ち込んだときは、こう言ってみてください。

「あの瞬間、私は頑張っていた。だから怒ったんだ。」
この一言を自分にかけるだけで、罪悪感が少し和らぎます。
HSPママが子育てで陥りやすい認知のゆがみについてはこちらの記事でも紹介していますので読んでみてくださいね。
5分だけ離れる「クールダウン習慣」を作る
怒りを無理に抑えるのではなく、物理的に離れるのが効果的です。
怒りの感情は、脳内でアドレナリンが出ている状態でピークは6秒とも言われています。
私も娘があまりにも言うことを聞かなくて爆発してしまいそうなときは、言うべきことだけ言って「ちょっとママ疲れちゃったから休むね」と距離を取るようにしています。
その間に深呼吸をしたり、窓を開けて風を感じたりして心を落ち着かせることで「爆発寸前」が「冷静」に変わることが増えました。

ポイントは、「逃げている」と思わないこと。
むしろ、冷静な対応をするための時間を取るのは立派な自己管理です。
怒りをゼロにすることを目指すより、「怒っても戻れる自分」を育てるほうがずっと現実的で優しい方法です。
感情日記をつけて、自分のパターンを見つける
怒りの背景には、必ずきっかけがあります。
それを見える化すると、心の整理がしやすくなります。
たとえばノートに次のように書いてみましょう。
- いつ、どんな場面で怒ったか
- そのときの自分の体調や気分
- 怒ったあとにどう感じたか
私はこれを1週間続けただけで、「睡眠不足の日」「予定が多い日」「バタバタしやすい夕方」などに怒りやすいことが分かりました。
つまり、怒りの多くは環境や疲れが原因なんです。
これに気づくだけで、「私がダメだから怒る」と思わなくなります。
私が3つの方法を試して感じた変化

以前の私は怒っては後悔し、また怒る、を繰り返していました。
でも、上の3つの方法を少しずつ意識するうちに、次のような変化がありました。
- 子どもにイライラしても冷静にアイメッセージで自分の気持ちを伝えるようになった
- 怒る前に「今、限界が近い」と気づけるようになった
- 感情日記で自分の状態を把握し、セルフケアを優先できるようになった
特にアイメッセージで自分の気持ちを冷静に伝えることで娘がワガママを言ったときも、前より反省してくれることが増えました。
アイメッセージとは相手を責めるのではなく「自分の気持ち」に焦点を当てて伝えるコミュニケーション方法です。
たとえば、子どもが宿題をしないときに以下のように言い換えるのがポイントです。
×「なんでいつも言うことを聞かないの!」(=相手を責めるユーメッセージ)
○「ママは、宿題をやらないと明日の朝バタバタしてしまうのが心配なんだ」(=自分の気持ちを伝えるアイメッセージ)
相手を非難せずに自分の感情を伝えることで、子どもは「怒られた」というよりも「ママの気持ちが伝わった」と感じやすくなります。
もちろん毎回うまくいくわけはないし、怒りがゼロになったわけではありません。
でも、「怒っても大丈夫」「またやり直せる」と思えるようになったのです。
怒ってしまっても立て直せるようになることでだいぶ心も軽くなりました。
アイメッセージを実際に使った体験談
娘が幼稚園の年長さんのときのこと。
幼稚園からバスで帰ってすぐ近所の友達と遊び始め、「そろそろ帰る時間だよ」と声をかけてもお構いなしに近くの公園まで勝手に走って行ってしまいました。
仕方なく30分くらい遊ばせて「さすがにもう帰るよ」と声をかけてもまた友達と走って逃げだし、その友達の家に勝手に入ってしまったのです。
追いかけて行って「勝手に人の家入っちゃダメでしょ」と注意しても聞かず友達の部屋で遊び始めてしまいました。
友達のママは「30分くらいなら遊んでもいいですよ」と言ってくれたので「すみません、、、時間になったら迎えに行きます」と言って迎えに行ったのです。
すると娘はまたも「まだ帰らない!」とワガママを言って私が連れて帰ろうとしても走って逃げ回り、、、。
なんとか抱きかかえて帰宅し、ぐったり疲れてしまったことがありました。
疲れと人に迷惑をかけてしまった恥ずかしさと、いろんな感情で爆発しそうだったのですが、5分ほど片付けなどをしながら心を落ち着かせて、娘にアイメッセージで気持ちを伝えました。
「ママは○○が勝手に走って行っちゃって車にひかれないか不安だったよ」
「友達の家に勝手に入って行っちゃって友達のママにも迷惑かけてしまったと恥ずかしさでいっぱいだったよ」
「これからは時間になったら帰る約束を守ってくれると助かるな」
すると娘はママを不安にさせて悪いことをしてしまったと感じたようでしっかり反省してくれました。

ここで感情を爆発させて娘を責める言葉をかけていたら不貞腐れていただけだったかもしれません。
HSPママが「怒り」とうまく付き合うためのコツ

HSPママは「怒らないように頑張る」よりも、「怒りが出ても安全でいられる環境をつくる」ことのほうがずっと現実的で効果的です。
たとえば、以下のような工夫があります。
怒りやすい時間帯の負担を減らす
多くのママが夕方や就寝前にイライラを感じやすいのは、脳と体が一日の刺激で疲れきっているから。
HSPママの場合、その疲れ方が人より深く、回復にも時間がかかります。
そのため、「夕方はできるだけ家事を詰めこまない」「ご飯はすべて手作りにこだわらない」など、怒りやすい時間帯の負担を減らすことがセルフケアになります。
HSPママが子育てで疲れやすい10の瞬間についてこちらの記事で紹介していますので参考にしてみてください。
「今日は疲れてる」と伝える勇気を持つ
信頼できるママ友や旦那に「今日はちょっと疲れてる」と伝えることも、立派なセルフケアです。
言葉にすることで自分の感情を整理できるだけでなく、「助けてほしい」と伝えることが自分を大切にする行動になります。
HSPママは人とのつながりで安心を感じやすいタイプなので、この共有が心の安定につながります。

娘が嫌いなおかずを食べたくないと駄々こねたときは写真と一緒に旦那に告げ口のLINEを送ります。笑
「それは大変だったね」と共感の言葉があるだけでだいぶ心が救われるんですよね。
怒りは「我慢」でなく「ケア」で防げるもの。
自分を追い詰めず、怒りが出ても大丈夫な環境を整えることこそが、HSPママの心の安定のために効果的です。
まとめ 怒らないママより、怒っても立て直せるママに
HSPママが子育てで怒りやすいのは、感受性が高く、子どもの気持ちを人一倍大切に思っているからこそ。
怒ることは、悪いことではありません。
それは「私が頑張っている証拠」であり、「心が限界を伝えてくれているサイン」です。
怒っても大丈夫。
大切なのは、怒りのあとに自分を立て直す方法を持つこと。

HSPママ自身の心を大切にしていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。





